2005年4月15日(金)12:14

シラク大統領のEU憲法テレビ討論は失敗

パリ(AFP)

テレビ討論でEU憲法の必要性を国民に説得しようとしたフランスのジャック・シラク大統領の試みは、明らかな失敗に終わった。18歳から30歳までの若者83人と厳しい討論を行った大統領は、若者の懸念が理解できないと繰り返し表明した。「若い人たちがそのような不安を抱くのは自然なことではない」とシラク大統領は怪訝な顔を見せた。大統領のテレビ出演は、否決の恐れのある5月29日の国民投票を成功に導こうとする意図で行われた。

「24ヶ国が賛成し、すべてを阻む黒い羊が1ヶ国という事態になる」とシラク大統領は、EU憲法反対が55パーセントにのぼる最近の世論調査を踏まえて警告した。そうなればEU内で「私たちはもはや重要性を持たなくなってしまう」と大統領は述べた。大統領は国民投票で否決された場合の退陣の可能性については否定した。国民投票ではフランス国内の権限分割ではなく、EU憲法のみが問われるのだ。もしEU憲法を拒否すれば、私が交渉で獲得したフランス農民への農業補助金も危うくなる、とシラク大統領は警告した。

シラク大統領は、統一された強いEUこそがフランスの利益にかなうと述べた。「フランスは自らの利益と職場と権限を守らねばならない。」大統領は左派のEU憲法批判論者を視野に入れ、EU憲法はEUが「自由主義に偏流する」のを防いでくれると主張した。しかし、EU憲法が日常の生活にどのような影響を与えるのかという若者の具体的な問いには答えなかった。質問に浮かび上がる若者の不安感がもっぱら大統領には驚きの種となった。「私には理解できない感情だ。」

「恐れることはない」との国民への度重なる呼び掛けも説得力に乏しかったとの見解で、フランスの各種新聞はほぼ一致している。「シラク大統領もがく」と日刊紙『パリジャン』Le Parisien はまとめた。地方紙『プロヴァーンス』La Provence の解説者は説得力に欠けた原因をシラク大統領自身のEUに対する消極的な姿勢に求めた。「大統領の欧州統合支持は情熱ではなく打算に基づくため、多くの人々の心を捉えたり、変えたりすることはできなかった。」

原題:Chiracs TV-Diskussion ueber EU ein Misserfolg




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